サンライズファーム株式会社は、このたび高知県が主催する「こうちデジ活アワード2025」において、グッドアイデア賞を受賞いたしました。
本アワードは、県内の企業・団体が行うデジタル技術を活用した業務改善や生産性向上の優れた取組を表彰するものです。
当社では、養殖から加工、出荷、販売・会計までをQRコードとネットワークでつなぐ一元管理体制を構築し、現場と事務を横断したデジタル化を推進してまいりました。
取組の概要
自社養殖のブリを対象に、加工工程の自動計量と包装ラインを連携させ、原魚一尾ごと・フィレ一枚ごとの重量や品目情報をQRコードで管理しています。
出荷時には出荷先情報と紐づけてデータを記録することで、正確な出荷重量とトレーサビリティを確保。
この仕組みにより、MEL認証(マリン・エコラベル・ジャパン)や対米HACCPにも対応する、国際水準の生産・加工体制を整えました。
また、計量器・個包装ラベラー・外箱ラベラーなど複数のハード機器と、出荷管理システムを連携させるにあたり、メーカー間の仕様調整や段階的な導入を重ね、現場に無理のない形で運用を定着させています。
成果と効果
この取組により、加工現場では約5%、事務所では約29%の省力化を実現しました。
また、加工場の稼働によって、原魚の販売に加え製品としての出荷が可能になり、販売単価の向上と販路拡大にもつながっています。
業務の標準化が進み、属人化していた作業を複数の担当者で分担できるようになったことで、突発的な欠勤や新人教育の負担軽減にも効果を上げています。
さらに、現場スタッフにも「記録を残す」意識が定着し、データをもとにしたトラブル分析や改善が日常的に行える環境が整いつつあります。
今後の展望
これまで主に加工工程のデジタル化を重点的に進めてきましたが、今後は養殖現場における業務デジタル化にも取り組みます。
現在運用している「養殖日誌」ソフトのアップデートや、将来的にはAIを活用したスマート養殖業の実現も視野に入れています。
高知県宿毛市・大月町という、黒潮に育まれた豊かな海域で養殖から加工・販売までを一貫して行う体制を強みに、地域の水産業の新たなモデルとして、デジタルの力で高知の魚を全国、そして世界へ届けてまいります。